私たちの「ふるさと」には、それぞれの地域ごとに歴史的経緯や風土に根ざした伝承や風習が、
世代を超えて受け継がれています。
これら有形・無形の歴史的魅力や特色を「地域固有のタカラモノ」として、文化・伝統を語るストーリーを
認定するのが「日本遺産 ”JapanHeritage”」です。
舞鶴の「日本遺産  ”JapanHeritage”」は、今から約100年前、海軍舞鶴鎮守府が置かれて始まった、
近代化への歩みと再出発のストーリーです。
鎮守府開設という国家的プロジェクトにより、大型艦船が停泊する港、当時の技術の粋を集めた
赤れんが建造物、鉄道や水道など、さまざまな施設が築かれ多くの人とモノが集まり、
活気に溢れた近代的な都市へと発展していきました。
やがて、終戦を迎え、大型船が停泊できる特徴を活かして引揚港に指定され、
大陸から多くの引揚者を迎え入れました。
舞鶴の港に降り立った人々は、大きな不安を抱えながらも舞鶴市民の温かいおもてなしに
力を与えられ、家族の待つ故郷へと旅立って行きました。
舞鶴は、軍港都市として共通のストーリーをもつ横須賀市・呉市・佐世保市と共に
「日本遺産  ”JapanHeritage”」に認定されたことを契機に、
舞鶴だけの”とっておきストーリー”を紹介しています。


舞鶴市のあゆみに大きな影響を与えた旧軍港市のストーリーが
平成28年4月25日付けで「日本遺産」に認定されました。


認定ストーリー
「鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴
       ~日本近代化の躍動を体感できるまち~ 」

日本遺産とは
文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを
「日本遺産(Japan Heritage)」として認定し,ストーリーを語る上で不可欠な魅力ある有形・無形の
様々な文化財群を総合的に
活用する取組みへの支援制度。
平成26年度に制度が創設され,今回は2回目の募集となる。
平成32年(2020年)までに全国で100件程度が認定される予定

ストーリーの骨子

○明治期の日本は、近代国家として海防力を備える必要があったため、
 国家プロジェクトにより天然の良港4か所(横須賀・呉・佐世保・舞鶴)に軍港を築き、
 鎮守府を置いた。

○静かな農漁村に人と先端技術が集まり、独自の都市形成の歩みの中で軍港都市が誕生し、
 日本の近代技術が育まれた。

○日本の近代化を推し進めた四市には、海軍由来の食文化もまちに浸透し、
 多種多様な数多くの近代化遺産とともに、躍動した往時の姿を体感できる。



舞鶴市の主要構成文化財

舞鶴赤れんがパーク
(舞鶴旧鎮守府倉庫施設)
※常時公開
海上自衛隊舞鶴地方総監部施設
・海軍記念館(旧海軍機関学校大講堂)
※土・日に一般公開
北吸配水池
(舞鶴旧海軍鎮守府水道施設)
※外観のみ公開
市道北吸・桃山線北吸トンネル
(舞鶴旧海軍鎮守府軍港引込線北吸隧道)
※常時公開
北吸配水池 東郷邸
舞鶴市水道施設 旧7岡田橋
京都丹後鉄道宮舞線 由良川橋梁 旧舞鶴要塞 槙山砲台
神崎煉瓦ホフマン式輪窯 海上自衛隊舞鶴警備隊正門
舞鶴 日本遺産認定構成文化財マップ

表紙 (pdf サイズ:1.19MB)
裏面 (pdf サイズ:1.21MB)
マップ (pdf サイズ:13.38MB)

鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴
日本近代化の躍動を体感できるまち

近代国家として西欧列強に渡り合うため、海防力を備えることが急務だった明治期の日本は、
軍港としてふさわしい地勢条件を満たす天然の良港を4か所選び、
軍港を築き海軍鎮守府を開庁しました。
鎮守府とは軍港に置かれた海軍の本拠地のことで、
島国日本の周辺海域を横須賀・呉・佐世保・舞鶴の
4つの鎮守府で分割して所轄し、海の防衛体制を確立するためのものでした。
それまでの半農半漁の静かな寒村だった四市は、最新の技術と巨額の予算が集中的に投入され、
海軍諸機関とともに鉄道、水道などのインフラが整備された近代的な軍港都市
に生まれ変わりました。
時を経た現代、躍動した往時の姿を残す旧海軍港四市は、
いずれもどこか懐かしくもたくましい、
人々をひきつけてやまない魅力に満ちた”まち”として、
今なお特有の文化・景観を守り続けています。